下顎智歯(親知らず)抜歯と下歯槽神経麻痺(障害)および舌神経麻痺(障害)

下顎骨内には下顎管という管があり内部を下歯槽神経と動脈、静脈が走行しています。近年は、食生活の影響のためか顎の発達が悪くレントゲン写真で智歯根尖(根端)が下顎管に近接している方をよく見かけます。このような場合の抜歯に当たっては必ずCT撮影を推奨します。3次元的に歯根と下顎管の位置関係を抜歯前に把握しておく必要があります。さらに、下顎骨の内側には親知らずの位置から約2-3mm の近い距離を舌神経が走行しているので盲目的抜歯操作により舌神経を損傷しないように注意が必要です。下歯槽神経損傷防止策として近年では、世界的にCoronectomy(コロネクトミー:歯冠摘出術)や2回法抜歯などが徐々に普及しつつありますが、日本では保険適用ではありません。困難な抜歯の場合は、口腔外科専門医へ紹介されることをお勧めします。主治医とよく相談してください。さらに詳しくお知りになりたいかたは、医歯薬出版株式会社から「カラーグラフィックス 下歯槽神経麻痺・舌神経麻痺」がありますのでご一読ください。

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